遺言書の作成

遺言書の重要性とその作成方法

遺言書は、自分が亡くなった後に、財産を誰にどのように引き継いでもらいたいかなど、自分の意思を残しておくための大切な書類です。遺言書を作成しておくことで、財産の承継方法を明確にし、相続人同士のトラブルを防ぐことにもつながります。
遺言にはいくつかの方式がありますが、一般的に利用される主なものとして「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があります。

遺言書で定められる主な内容

財産の指定
どの財産を、誰にどのように相続させるかを自由に指定できます。これには不動産、預金、株式などが含まれます。
世田谷区の「第四次住宅整備後期方針」に掲載された2020年国勢調査に基づく持ち家世帯数は228,263世帯です。また、東京都の2026年地価公示によると、世田谷区の住宅地の平均価格は1㎡当たり779,900円となっています。不動産を含む財産を誰に引き継ぐかは、遺言書を考える際の大切な検討事項です。
相続人の指定
法定相続人以外にも、特定の人を相続人として指定することができます。これにより、法定相続分と異なる分配を行うことも可能です。
遺言執行者の指定
遺言の内容を具体的に実行する「遺言執行者」を指定することもできます。これにより、遺言の内容が確実に反映されるようになります。

遺言書の種類と特徴

自分で手書きする遺言書。本文・日付・氏名は自書(ただし、一定の要件を満たす財産目録は自書不要)で記載し、署名・捺印する必要があります。
メリット
手軽で費用がかからず、プライバシーが保たれます。
デメリット
不明瞭な内容になりやすく、形式の不備で無効になるリスクがあります。紛失や改ざんの危険もあり、自宅等で保管されていた自筆証書遺言は、原則として家庭裁判所での検認が必要です。ただし、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用して保管された遺言書については、検認は不要です。
公正証書遺言は、公証人が遺言者本人の意思を確認し、証人2人の立会いの下で作成する遺言です。現在、公正証書は原則として電磁的記録で作成され、遺言者・証人による電子サイン、公証人による電子サイン・電子署名によって作成されます。一定の要件を満たす場合には、Web会議を利用した作成も可能です。
メリット
強力な法的効力があり、家庭裁判所の検認手続きが不要です。紛失や改ざんのリスクがなく、死後すぐに遺言内容が実行できます。
デメリット
証人が必要で、費用がかかります。相続人やその配偶者、直系血族などは証人になれません。

遺言書作成のプロセス

財産と相続人の明確化
どの財産を誰にどれだけ相続させるかを決めます。
証人の選定
公正証書遺言の場合、証人を2人以上選びます。証人には相続人や未成年者など特定の関係者は含められません。
公証人との日程調整
公正証書遺言を作成する場合、公証人と日時を決め、必要に応じて出張してもらうこともあります。
必要書類の準備
遺言者の印鑑証明書や戸籍謄本、住民票などが必要です。財産特定のための書類も集めます。
遺言の原案作成
公正証書遺言では、遺言の原案を作成し、公証役場で正式に遺言を作成します。

遺言書のメリット

遺言書を作成しておくことで、自分の財産を誰にどのように引き継いでもらいたいか、意思を明確に残すことができます。また、相続人同士のトラブルを防いだり、相続手続きを進めやすくしたりすることにもつながります。
遺言書を作成することで、不動産や預貯金、株式などについて、誰にどの財産を引き継いでもらうか、自分の意思を示すことができます。ただし、一定の相続人には「遺留分」が認められているため、遺言の内容を決める際には注意が必要です。
遺言によって、相続人ではない人や団体などに財産を遺贈することができます。例えば、内縁の配偶者やお世話になった人などに財産を遺したい場合にも活用できます。
会社を経営している場合には、遺言によって自社株式や事業用資産などの承継先をあらかじめ定めておくことができます。後継者への円滑な事業承継に備える方法の一つとして活用できます。生前贈与と異なり、いつでも撤回が可能なため、経営者にとって安心の手段となります。
遺言書には、遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う「遺言執行者」を指定することができます。あらかじめ指定しておくことで、相続開始後の手続きを進めやすくなります。
配偶者の今後の生活や、障害のある子どもの将来など、それぞれの家族の事情を考えながら、財産の承継方法を決めることができます。未成年者に対して最後に親権を行う者は、一定の要件の下、遺言によって未成年後見人を指定することができます。

遺言書の必要性チェック

遺言書を作成することを検討すべき状況は以下の通りです。世田谷区の資料では、2025年1月1日時点の65歳以上人口は190,088人です(世田谷区「保健福祉総合事業概要」)。ご自身の意思を家族に伝える方法の一つとして、遺言書の作成を検討しておくことが大切です。
✔ 子どもがいない場合
✔ 相続人が多い場合
✔ 内縁の配偶者に財産を遺したい場合
✔ 配偶者の今後の生活が心配な場合
✔ 障害のある子どもの将来が心配な場合
✔ 家業や会社を引き継ぐ人が決まっている場合
✔ 相続財産の多くが不動産である場合
✔ 再婚しているなど、家族関係が複雑な場合
✔ 相続人以外の人や団体に財産を遺したい場合

遺言書の効力と執行

遺言書の効力
遺言書は、遺言者の死後に効力を発揮します。正しい形式で作成された遺言書には強い法的効力があり、遺言の内容に従って相続が進められます。
遺言書の執行
遺言者が亡くなった後は、遺言書の内容に応じて、相続財産の名義変更や遺贈などの手続きを行います。遺言執行者が指定されている場合には、遺言の内容を実現するために必要な手続きを行います。
検認手続き
自宅などで保管されていた自筆証書遺言は、原則として家庭裁判所での検認が必要です。ただし、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用して保管されている遺言書は、検認が不要です。公正証書遺言についても検認は必要ありません。
財産に関する手続き
遺言の内容に応じて、預貯金の解約・名義変更、不動産の相続登記や遺贈による所有権移転登記など、必要な手続きを行います。遺言執行者が指定されている場合には、その権限の範囲内で遺言の内容を実現するための手続きを行います。
認知・未成年後見人の指定
遺言によって子を認知したり、一定の要件のもとで未成年後見人を指定したりすることもできます。これにより、遺言者の意思が家族構成にも反映されます。
遺言書が複数見つかった場合
新しい遺言と以前の遺言の内容が抵触する場合、その抵触する部分については、後の遺言によって前の遺言が撤回されたものとみなされます。したがって、新しい遺言があるからといって、必ずしも以前の遺言全体が無効になるわけではありません。

遺言の実行手順とその重要性

遺言者の財産目録の作成
遺言者が残した財産の全リストを作成します。このために、登記簿や権利書など、財産を証明する書類を集め、財産目録を作り上げます。この目録は後に相続人に提示され、分配の基礎となります。
遺言で定められた相続割合に基づき、具体的な遺産分配を行います。このプロセスには、不動産の登記申請や金銭の分配作業が含まれます。この段階で、遺言者の意向が具体的に反映されます。
遺言執行者は、相続財産を不法に占有している者に対して、財産の明け渡しや移転を請求します。これにより、遺言に基づく正当な財産管理を保証します。
受遺者がいる場合、その人たちに対して指定された財産を引き渡します。このとき、不動産などの場合は所有権移転の登記も行います。
遺言に認知の指定がある場合、戸籍への認知届出を行います。これにより、婚外子なども正式な相続人として認められることになります。
遺言によって特定の相続人を廃除する指示がある場合、その手続きを行います。これは家庭裁判所での申し立てによって行われます。廃除が取り消されるべき事情がある場合も同様です。
職務の報告
遺言執行者は、遺言の内容を実現するために必要な手続きを行い、その職務について相続人への報告が必要となる場合があります。
権限と報酬
遺言執行者は、遺言の全ての指示が実行されるまで、財産の管理権限を持ちます。職務が終了した際には、遺言に記載された報酬を受け取ることができ、その額は遺言で指定されていない場合、家庭裁判所で定められます。

専門家への依頼

遺言の実行やそれに関わる複雑な手続きは、法律の専門知識を要します。そのため、専門家に依頼することが推奨されます。これにより、法的ミスを避け、遺言の意向が正確に反映されるようになります。

当事務所のサポート

せたがや相続税・贈与税相談プラザでは、自筆証書遺言の作成支援や公正証書遺言の作成、遺言書の保管など、遺言に関わる全ての手続きで支援を行っております。これにより、遺言書作成から執行までの一連のプロセスをスムーズに進めることができます。

出典

せたがや相続税・贈与税相談プラザ_相続無料相談のお申込み
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